「英語日記BOY」は単なる英語学習のノウハウ本ではなかった

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はじめに

2021年現在、若干26歳の新井リオさん著書の「英語日記BOY」。累計発行部数は5万部を超え、中田敦彦さんのYoutube大学でも紹介されました。
現在のテクノロジーの発展が可能にした、留学しなくても、お金がなくても英語が話せるようなテクニックが満載の書で、現在、英語を学んでいる人は全員が読んで欲しい本です。



しかし、本書の価値は、単に英語学習のテクニックを教えるだけにとどまらず、新井リオさんの思考方法、そこにこそ、本書を読む最大の価値があるのだと考えています。本記事では、そんな新井リオさんの思考方法にフォーカスしていきたいと思います。

なお、本記事は、合わせて以下の動画でも説明しています。

著者 新井リオさんの道のり

まずは、若干26歳の新井リオさんが、現在の成功を手に入れるまでの道のりを書いてみようと思います。

  • 2013年(19歳頃): 来日中の憧れのバンドのメンバーに言いたい英語が言えず、くやしい思いをする。そこから「英語が話せる」を自分なりに定義付ける。
  • 2014年(20歳頃): アメリカ旅行で初対面の人に親切にされたことをきっかけに、英語日記を始める。
  • 2015年(21歳頃): カナダで自身のバンド「PENs+」のライブをする。その際、英語でMCを完璧にこなす。
  • 2016年(22歳頃): 「カナダでグラフィックデザイナーとして生計を立てる」という目標を立てる。その後、カナダへ渡る。
  • 2017年(23歳頃): 目標通りカナダで生計を立てられるようになる。また、この頃、ブログを開設する。最初のブログ記事が「英語 独学」のキーワードで、Google検索1位となる。
  • 2020年(25歳頃): 「英語日記BOY」を発刊する。

新井リオさんがすぐれている点

新井リオさんがすぐれているのは、普通の人は、曖昧に考えるところを明確にする力、そして、曖昧なものを明確にする際、固定観念にとらわれることなく、とても柔軟な発想をする力があることだと思います。他の言い方をすれば、抽象化能力にすぐれている、といっていいかもしれません。

また、行動によって学ぶといった点もとてもすぐれていると思います。

それらのすぐれている点をもう少し詳細にみてみましょう。

「英語が話せる」を明確に定義する

新井リオさんは、「英語が話せる」ということを次のように定義しました。

「いま言いたいオリジナル英語フレーズが瞬時にでてくること」

英会話を勉強する人は、誰でも英語が話せるようになるために、英会話の勉強をしています。
しかし、「英語を話せる」ということを突き詰めて考えたりすることは、通常はありません。
新井リオさんの思考方法は、まずは、「曖昧なことを言葉で明確にする。明確になったものに向かって、具体的な手法を考える」です。
通常私達は、逆をしがちです。
先に手法にとびついて、何か違うといって、また別の手法にとびついていく。
これでは、ゴールがないマラソンを走っているようなものなのです。
新井リオさんは、まず、「英語が話せる」を明確に定義して、その後に、その「英語が話せる」の状態に最短ルートに行くにはどうしたらいいか手法を考えるのです。

この定義によれば、膨大な単語・例文を覚えることは、時間の無駄、ということになります。

必要なのは、少なくてもいいから、自分の血となり肉となった、英語フレーズを発することができるようになることだということなのです。

明確な目標を持つ

新井リオさんは、何度が明確な目標を持ち、それを実現してきました。
それは、「人間は、曖昧なものは頑張れないが、明確なことは頑張れる」と考えているからです。
また、明確な目標を立てることによって、はじめて具体的なアクションがみえてくるのです。

新井さんが、実際に立てた目標は、以下のようなものです。

  • 「3ヶ月後のカナダのライブで、英語でMCをする」
    → この目標の実現のため、オンライン英会話で、毎回「ライブ中のMC」を添削してもらった。

  • 「カナダでグラフィックデザイナーとして生計を立てる」
    → この目標の実現のため、カナダに渡り、英語漬けの日々。また、デザイナーの仕事を得るために、自分で作ったグッズを身に着けて外を出歩いたり、仕事の面接では、全身自分のグッズを身に着け、さらにリュックにも沢山のグッズを入れて臨んだ。

やりたいことが見つからない場合は

新井さんは、やりたいことがあるから目標をたてたりできるが、やりたいことがみつかっていない人はどうするの?と思われる方もいるかもしれません。

新井さんは、こういう場合にも、答えを持っているのです。

1ヶ月ほど初心者向けの勉強をやってみて「もっともっとやりたいという感情を抱くかどうか」を見る

頭の中で考えてもぐるぐる同じところをまわって、時間が過ぎていくだけだ。
そんなことをするぐらいなら、1ヶ月間、実際にやってみて、本当にやりたいのかどうかを見極めよう。
そうすれば1年あれば、12回もチャンスはあるんだ。

これは、やりたいことを見つける、もっとも確実な方法のようにも思えます。

最後に

本書を読んで、「言葉の力」は凄い、というのを思いました。
言葉は、どんな制約もどんな困難な状況でも、魔法のように現実を変えてくれるのです。
新井リオさんは、「言葉を自分の味方につけた人」だったので、輝かしい成果を残していたのだと思います。

本書を読んでの私のアクションとして、次のような事を考えました。

  • 英語学習の目指すところを明確にした。
    • オンライン英会話で自己紹介を5分何も見ずに言えること。
    • オンライン英会話で25分間、フリートークで話が途切れることなく会話ができること。

今後は、この目標を達成するための具体的な手段を考えていきたいと思います。

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