出口治明の作り方 〜 『人生を面白くする 本物の教養 』

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出口治明の『人生を面白くする 本物の教養 』では、どのようにすれば出口治明のような幅広い教養をもった人間を作ることができるのか、そのヒントが散りばめられている。

では、出口治明を作ったのは一体なんであるか?

私にいくばくか教養のようなものがあるとすれば、それを培ってくれたのは、「本・人・旅」の三つです。

「本・人・旅」が出口を作っているのである。

この記事では、出口を作った「本・人・旅」を中心に、『人生を面白くする 本物の教養 』に関して書いていきたいと思う。

本・1日1時間の読書

元々本好きだった、出口は、学生時代は毎日14,5時間は読書していたという。しかし、社会人になるとそうはいかない。読書時間が激減した出口は、「寝る前に一時間だけ本を読む」というルールを作る。それが、今でも続いている、というのである。仕事の付き合いで「毎晩のようにお酒を飲んで、帰宅は午前二時や三時が日常茶飯事」という昭和の働き方をしている時代も、必ず1時間の読書時間を持った、というのである。

自分のもっとも大切なことを、自分自身にルールを課したことで死守したのである。このルールが今の出口の骨格を作ったことに間違いない。

人・面白いかどうか

出口が人とつきあうかの基準は、「面白いかどうか」だ。決して相手が出世しそうだ、とか下心をもってつきあうわけではない。人脈としてつきあうのではない。この点、日本人に対して、出口は意見を持っている。

日本人は情を大切にするとよく言われています。なのに、ビジネス上の人間関係となるとまるで人が変わったような趣になるのが不思議でなりません。

旅・最高の遊び

好きな美術館を興味の連鎖で、芋づる式に巡っているうちに、「約四十年間で世界約七〇カ国、一二〇〇都市以上」旅したというのだ。一年に1,2回は海外旅行をしている計算である。

出口流の旅行は、ホテルも予約しない行き当りばったりのバックパッカー的なものである。

大学一回生の時に、北海道をヒッチハイクで周遊した時のその解放感と「目的を決めない放浪ほど楽しいものはない」というように味をしめたである。

「教養とは人生を面白くするツール」である。そして、出口にとっては、「旅こそ最高の遊びにしてもっとも楽しい教養の源」なのである。

仕事は「どうでもいい」ことと思うこと

出口のスケールの大きさを作っているのは、仕事は「どうてもいいもの」と思うところである。時間でいえば、仕事の割合は全体の二、三割の時間にしか過ぎない。残りはプライベートの時間である。そのプライベートの七、八割のために、二、三割の仕事がある、だから仕事は「どうでもいい」のだという。

「どうてもいい」と思うからこそ、失敗を恐れず「自分の信念に従い思い切って仕事をすることが」できるのである。なぜなら、失敗しても、それは自分の人生の二、三割の出来事にしかすぎないのだから。そして、ワクワクすること、面白いことに力を注ぐのである。これが、スケールの大きな出口を作っているのである。

出口首相待望論

本書のライターも最後に出口に対して「こういう人にこそ日本のリーダになってほしい」と述べている。まったく同感である。出口がもっている教養は、決して学校の中で身につけたものではなく、日々の生活というフィールドから得ているものなので、現実の世界にもすぐに適用できるものなのだ。

本書の「教養としての時事問題」という章の中でも、世界と歴史に裏打ちされたしっかりした意見を持っている。こういう人こそ、一国のリーダになるのに相応しいのだと思う。

さいごに

人生の目標は、人の数だけあるのであろう。

また、人生は、それぞれであり、そこに優劣はない。

それは、そうなのだろうが、「教養」の量によって、その人の人生の豊かさを表すこと、そういったことも可能ではないか。

そういう意味では、教養がある、ということを人生の目標にすることは、それはそれでありだと思うのである。自分の人生がどこまで豊かにできるのか、それを楽しみにして生きていきたいと思うのである。

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